活動報告

当センターでは、第4回アフリカ開発会議(TICAD Ⅳ)とG8北海道洞爺湖サミットが開催される2008年を、「人間の安全保障」に根ざした国際保健分野における日本の貢献のあり方を検討する絶好の機会と捉え、2007年9月、「国際保健の課題と日本の貢献」研究・対話プロジェクトを開始し、武見敬三、元厚生労働副大臣を主査に、政府関係者、援助実施機関、学者、NGO等多様なセクターの代表から構成される研究会を組織した。

 

同研究会は、5月末までに計5回の会合を持ち、政府の国際保健に関する政策案に対して助言を行う他、国際機関、国際NGO、研究者との一連の対話を国内外で行い、G8サミットに向けた政策提言をとりまとめた。

 

2007年末から翌2月初めにかけては、ハーバード大学公衆衛生大学院の研究者と議論を重ねて成果論文 PDF[108KB]を執筆、医学雑誌『ランセット』に掲載された。1月には、武見主査がタイを訪問し、マヒドン大学の協力を得て現地視察を行ったほか、プライマリー・ヘルスケアをテーマとするプリンス・マヒドン賞会議にて国際保健専門家と議論を交わした。3月には、世界基金と世界保健機関(WHO)の協力を得て、ジュネーブを始めとする欧州に拠点を持つ国際保健専門家とのワークショップをジュネーブで開催し、いかにして疾病別支援を保健システム全体の強化に繋げうるか議論を交わした。

 

本ワークショップには、ワーキング・グループからは武見主査に加えて、石井澄江ジョイセフ常任理事・事務局長、山本正当センター理事長、勝又英子常務理事・事務局長、そして外部専門家として國井修ユニセフ・ミャンマー保健栄養部長が参加した。その後、世界基金と日本政府の協力を得て、ザンビアでの現地視察および実務家との対話の機会を持った。現地視察では、ルサカ近郊、西部州の世界基金プロジェクトおよび国際協力機構(JICA)プロジェクトの現場を訪問した。4月には第39回三極委員会ワシントン総会において、武見主査が研究会の中間報告を行い、さらにその後、ワシントンではブルッキングス研究所、ニューヨークでは外交問題評議会の協力を得てワークショップを開催し、米国を拠点とする国際機関および研究機関、NGOの国際保健専門家や保健問題に関心を持つ企業関係者と議論を深めた。ワーキング・グループからは武見主査、勝間靖 早稲田大学教授、神馬征峰 東京大学教授、中村安秀 大阪大学教授、山本正、そして外部専門家として稲場雅紀アフリカ日本協議会国際保健分野プログラム・ディレクターが参加した。

 

最終報告書「国際保健、人間の安全保障、そして日本の貢献」 PDF[424KB] 

  は、2008年5月に開催された世界基金支援日本委員会、世界エイズ・結核・マラリア対策基金、外務省主催国際シンポジウム「沖縄から洞爺湖へ―『人間の安全保障』から見た三大感染症への新たなビジョン」において発表された。

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