活動報告 Activities

2011.04.01

米国連邦議会スタッフ交流プログラム

米国連邦議会の法案作成、政策決定において、きわめて高い役割を果たしているのが議員補佐官や委員会スタッフです。JCIEの米国議会スタッフ交流プログラムは、これら議員補佐官や委員会スタッフを日本に招き、日本についての理解をひろめると同時に、米国の政策に対する日本側関係者の理解を深めることを目的としています。1982年にプログラムが始まって以後、これまでに延べ約215名の米国議会スタッフが参加しています。   最近のプログラム報告 2022年度 第31回米国連邦議会スタッフ訪日プログラム 2020年度 第29回米国連邦議会スタッフ訪日プログラム 2019年度 第28回米国連邦議会スタッフ訪日プログラム 2018年度 第27回米国連邦議会スタッフ訪日プログラム     日本国際交流センターの政治議会交流プログラムに関するこれまでの歴史は以下をご参照ください。 『JCIE50年の日米政治・議会交流』 歴史編| 資料編

2011.04.01

日米青年政治指導者交流プログラム

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日本国際交流センター(JCIE)では、American Council of Young Political Leaders (ACYPL 米国青年政治指導者会議)との共催で日米両国の若手の政治家や議会関係者の交流プログラムを実施しています。   米国の州議会や政党の関係者、連邦議会や行政府のスタッフなどが訪日、日本からは地方議会議員、国会議員秘書や政党スタッフなどが訪米し、政治、経済、社会の課題に関して意見を交換しています。1973年の開始からこれまでの間に、日米両国で延べ約400名が参加し、歴代の参加者の間に世代を超えた広範なネットワークが形成されています。本プログラムは、国際交流基金日米センターおよび一般財団法人MRAハウスの助成を受けて実施しています。   最近のプログラム報告   2022年度 50周年記念米国代表団訪日プログラム   2021年度 米国代表団オンライン訪日プログラム バーチャルタウンホールウェビナー 日本代表団オンライン交流プログラム   2020年度 日本代表団オンライン訪米プログラム   2019年度 第35回米国代表団訪日プログラム   2018年度 第34回米国代表団訪日プログラム 第29回日本代表団訪米プログラム   2017年度 第33回米国代表団訪日プログラム 第28回日本代表団訪米プログラム   2016年度  第32回米国代表団訪日プログラム 第27回日本代表団訪米プログラム   2015年度 第26回日本代表団訪米プログラム  

2011.04.01

日独フォーラム

日独フォーラムは、1992年の宮沢・コール日独首脳会談により設立が合意され、翌年2月に発足した民間レベルの対話フォーラムです(設立時の名称は日独対話フォーラム、1999年に改称)。 中長期的な二国間関係の発展強化を目指し、両国関係について幅広い検討を行い、日独間の相互理解の増進と関係の緊密化に貢献することを目的として年1回の合同会議を開催しています。日本国際交流センター(JCIE)は第1回より日独フォーラムに運営等の協力をしています。     最近のフォーラム 日独フォーラム第31回合同会議(ドイツ ベルリン)2023年11月16日-17日 日独フォーラム第30回合同会議(日本 東京)2022年11月17日-18日 日独フォーラム第29回合同会議(WEB会議)2021年5月20-21日 日独フォーラム第28回合同会議(日本 東京)2019年12月4日-6日 日独フォーラム第27回合同会議(ドイツ ベルリン)2018年10月17日-19日 日独フォーラム第26回合同会議(日本 東京) 2017年11月15日-17日 日独フォーラム第25回合同会議(ドイツ ベルリン) 2016年10月18日-20日 日独フォーラム第24回合同会議(日本 東京) 2015年10月28日-29日 日独フォーラム第23回合同会議(ドイツ ベルリン) 2014年11月5日-6日 日独フォーラム第22回合同会議(日本 東京) 2013年10月29日-30日 日独フォーラム第21回合同会議(ドイツ ベルリン) 2012年11月6日-7日 日独フォーラム第20回合同会議(日本 東京) 2011年10月4日-5日 日独フォーラム第19回合同会議(ドイツ ベルリン) 2010年11月11日-13日 日独フォーラム第18回合同会議(日本 東京) 2009年11月4日-6日 日独フォーラム第17回合同会議(ドイツ ベルリン) 2008年11月25日-26日 日独フォーラム第16回合同会議(日本 東京) 2007年10月2日-3日 日独フォーラム第15回合同会議(ドイツ ベルリン) 2006年10月12日-14日 日独フォーラム第14回合同会議(日本 東京) 2005年10月14日-16日 日独フォーラム第13回合同会議(日本 東京) 2004年10月8日-10日 日独フォーラム第12回合同会議(ドイツ ベルリン) 日独フォーラム第11回合同会議(ドイツ ベルリン) 2003年3月5日-7日 日独フォーラム第10回合同会議(日本 東京) 2002年2月2日-4日

2011.04.01

日英21世紀委員会

日英21世紀委員会は、1984年に中曽根康弘首相とマーガレット・サッチャー首相との間で合意され、翌85年に正式に設置された民間レベルの政策対話フォーラムです(発足時の名称は日英2000年委員会)。年1回の合同会議において両国委員が議論し日英関係のあり方についての提言をまとめ、それぞれの首相に報告しています。     最近のフォーラム 2022年度 第39回合同会議 (英国 ロンドン、ノリッジ、イーストアングリア大学) 2021年度 第38回合同会議 (オンライン会議) 2020年度 第37回合同会議 (オンライン会議) 2019年度 第36回合同会議 (英国 カンタベリー、ケント大学) 2018年度 第35回合同会議 (日本 東京、鎌倉) 2017年度 第34回合同会議 (英国 ロンドン、ケンブリッジ) 2016年度 第33回合同会議 (日本 東京、木更津) 2015年度 第32回合同会議 (英国 ロンドン、ディッチリーパーク) 2014年度 第31回合同会議 (日本 東京、箱根) 2013年度 第30回合同会議 (英国 ロンドン、サウス・ウェールズ) 2012年度 第29回合同会議 (日本 東京) 2011年度 第28回合同会議 (英国 ウォーリック大学) 2010年度 第27回合同会議 (日本 東京、軽井沢) 2009年度 第26回合同会議 (英国 ハンプシャー、チュートングレン) 2008年度 第25回合同会議 (日本 東京、小田原) 2007年度 第24回合同会議 (英国 ニューキャッスル・アポン・タイン) 2006年度 第23回合同会議 (日本 東京) 2005年度 第22回合同会議 (英国 ハートフォードシャー、ウエア) 2004年度 第21回合同会議 (日本 東京、名古屋) 2003年度 第20回合同会議 (英国 ロンドン、ブロケットホール) 2002年度 第19回合同会議 (日本 鎌倉) 2001年度 第18回合同会議 (英国 ロンドン、ディッチリーパーク)

2011.04.01

日韓フォーラム

日韓フォーラムは、1993年に行われた細川護煕総理大臣と金泳三大統領との日韓首脳会談に基づき設置された民間レベルの政策協議のためのフォーラムで、Korea Foundationが韓国側事務局を、日本国際交流センター(JCIE)が日本側事務局を務めています。日米間の民間レベルの会議である「下田会議」をモデルとして、1993年以来、両国の政治家、経済人、学者、ジャーナリストなどのオピニオン・リーダーの参加を得て毎年開催され、「未来志向」の新しい日韓関係の在り方を検討するために、政治、経済、文化など幅広い分野にわたり両国の交流の推進を図っています。    過去のフォーラム 2023年度 第31回日韓フォーラム (日本 東京) 2023年8月30日-9月1日 2022年度 第30回日韓フォーラム (日本 東京) 2022年8月24日-26日 2021年度 第29回日韓フォーラム (オンライン) 2020年12月3日 2020年度 第28回日韓フォーラム (オンライン) 2020年11月13日 2019年度 第27回日韓フォーラム (韓国 ソウル) 2019年8月21日-23日 2018年度 第26回日韓フォーラム (日本 東京) 2018年8月20日-22日 2017年度 第25回日韓フォーラム (韓国 ソウル)2017年8月28日-30日 2016年度 第24回日韓フォーラム (日本 東京) 2016年8月24日-26日 2015年度 第23回日韓フォーラム (韓国 ソウル) 2015年8月27日-29日 2014年度 第22回日韓フォーラム (日本 福岡) 2014年8月7日-9日 2013年度 第21回日韓フォーラム (韓国 ソウル) 2013年8月22日-24日 2012年度 第20回日韓フォーラム (日本 東京) 2012年12月20日-22日 2011年度 第19回日韓フォーラム (韓国 ソウル) 2011年8月24日-26日 2010年度 第18回日韓フォーラム (日本 東京) 2010年10月3日-5日 2009年度 第17回日韓フォーラム (韓国 ソウル) 2009年12月6日-8日 2008年度 第16回日韓フォーラム (日本 東京) 2008年8月28日-30日 2007年度 第15回日韓フォーラム (韓国 釜山) 2007年8月28日-30日 2006年度 第14回日韓フォーラム (日本 兵庫県淡路島) 2006年8月29日-31日 2005年度 第13回日韓フォーラム (韓国 済州島) 2005年8月29日-31日 2004年度 第12回日韓フォーラム (日本 山口県下関市) 2004年9月13日-15日 2003年度 第11回日韓フォーラム (韓国 慶州) 2003年8月31日-9月3日 2002年度 第10回日韓フォーラム (日本 石川県金沢市) 2002年9月6日-9月8日 2001年度 第9回日韓フォーラム (韓国 江原道) 2001年8月31日-9月2日 2000年度 第8回日韓フォーラム (日本 福島) 2000年9月16日-18日 1999年度 第7回日韓フォーラム (韓国 ソウル) 1999年8月27日-30日 1998年度 第6回日韓フォーラム (日本 千葉) 1998年10月25日-28日 1997年度 第5回日韓フォーラム (韓国 ソウル) 1997年9月5日-8日 1996年度 第4回日韓フォーラム (日本 東京・青森) 1996年9月4日-8日

2010.06.01

セミナー「人間の安全保障と健康」

2010年5月14日、当センター、日本及びノルウェーの国連代表部、国連人道問題調整事務所(UNOCHA)人間の安全保障ユニットとの共催、国際教育研究所(IIE)の後援により、IIE会議室にて、「人間の安全保障と健康」をテーマとするセミナーならびにラウンドテーブルを実施した。

2009.09.01

「国際保健の課題と日本の貢献」研究・対話プロジェクト 第2フェーズ(2008年8月~2009年6月)

2008年7月に洞爺湖で開催されたG8サミットにおいて、「国際保健に関する洞爺湖行動指針(洞爺湖行動指針)」が示された。2007年9月に発足した「国際保健の課題と日本の貢献」研究・対話プロジェクトでは、過去一年間に醸成された保健システム強化に向けた政治的モメンタムを維持し、イタリアが議長国を務める来年のサミットに引き継ぐため、洞爺湖行動指針の中でも特に強調された「保健システム強化」をテーマに第2フェーズの活動を開始した。   本フェーズでは、G8合意の行動指針に基づき、G8および世界の諸団体が取るべき保健システム強化に向けた具体策を明確にし、その具体策を実施するための協力体制を醸成することを目的とする。具体的には、G8サミットでも提案された保健医療人材、保健情報(保健システムの評価とモニタリング)、保健財政の3つの政策分野を取り上げ、プライマリー・ヘルス・ケアの再構築、個別の疾病対策の強化、保健に関わるミレニアム開発目標(MDGs)の達成、そして、世界中の人間の安全保障の確保を推進する包括的な保健システムをいかに構築しうるかを検討する。また、これらの検討を通じて、G8サミットが、国際保健の政策形成においてどのような形で、より積極的に触媒的な役割を果たしうるか探る。   2008年9月には、上記の3つの政策分野をテーマに22名の専門家からなる国際タスクフォースを組織し、また多様なアクターの意見や視点を取り入れるため、国際保健分野の著名な研究者・実務家からなる国際諮問委員会を発足させた。10月4日には、3つの論文の草稿を検討するために研究チームを中心にワークショップを開催し、さらに、報告・提言の内容を深め充実させることを目的に、11月3-4日に「保健システム強化に向けたグローバル・アクションに関する国際会議」を東京で開催した。   本プロジェクトでは、一連の研究・対話活動を通して、保健システム強化に向けた具体的なアクションの提言を作成し、2009年1月16日に最終提言書が日本政府に提出された。本提言書は、日本政府からイタリア政府に手渡され、さらに国際的な議論を喚起するため、アジア、アフリカ、欧州、米国などでセミナーシリーズを開催した。   なお、本提言書は国際的な医学雑誌『ランセット』にも掲載された。   タスクフォース最終提言書「保健システム強化に向けたグローバル・アクション:G8への提言」   和文  PDF[1.5MB] 英文  PDF[2.5MB] 伊文総論  PDF[452KB] 仏文  PDF[1.4MB]   プレス・リリース   『ランセット』掲載論文  PDF[113KB]   「国際保健の課題と日本の貢献」研究・対話プロジェクト概要 第1フェーズ   国際諮問委員   ウチェ・アマジゴ 世界保健機関(WHO)回旋糸状虫症対策アフリカ・プログラム(APOC)ディレクター[ブルキナファソ] リンカン・チェン 中国医療委員会会長[米国] デイビッド・デ・フェランティ ブルッキングス研究所グローバル・ヘルス・イニシアティブ本部長[米国] フリオ・フランク ビル&メリンダ・ゲイツ財団シニア・フェロー、カルソ保健研究所理事長、次期ハーバード大学公衆衛生大学院学部長[メキシコ] 郭 研(ヤン・グオ) 北京大学公衆衛生大学院保健政策・管理教授[中国] リチャード・ホートン ランセット誌編集長[英国] ウィリアム・シャオ ハーバード大学公衆衛生大学院 李國鼎(K. T. Li)経済学教授[米国] エデュアルド・ミッソーニ ボッコーニ大学非常勤教授、2001年ジェノバ・ サミットG8保健専門家グループ議長[イタリア] シグラン・モゲダル ノルウェーエイズ担当大使 尾身 茂 世界保健機関西太平洋事務局事務局長[フィリピン] ジム・ヨン・キム ハーバード大学公衆衛生大学院保健フランソワ・ザビエル・バグノー保健人権センター所長[米国] ピーター・ピオット 国連合同エイズ計画(UNAIDS)事務局長[スイス] スジャタ・ラオ インド・エイズ対策機構(NACO) ミリアム・ウェレ ケニア国家エイズ対策委員会(NACC)委員長、野口英世アフリカ賞受賞者 スウィット・ウィブルポルプラサート タイ公衆衛生省疾病予防上級顧問   タスク・フォース   ディレクター:   武見 敬三 ハーバード大学公衆衛生大学院リサーチ・フェロー、 (財)日本国際交流センターシニア・フェロー 総括論文共同執筆:   武見 敬三   マイケル・ライシュ ハーバード大学公衆衛生大学院国際保健政策武見太郎記念講座教授[米国] 文献調査:   勝間 靖 早稲田大学アジア太平洋研究センター教授 仲佐 保 国立国際医療センター国際医療協力局派遣協力第二課課長 中村 安秀 大阪大学大学院人間科学研究科教授 リサーチ・チーム:   [保健情報]   執筆者: …

2009.09.01

「国際保健の課題と日本の貢献」研究・対話プロジェクト 第1フェーズ(2007年9月~2008年7月)

当センターでは、第4回アフリカ開発会議(TICAD Ⅳ)とG8北海道洞爺湖サミットが開催される2008年を、「人間の安全保障」に根ざした国際保健分野における日本の貢献のあり方を検討する絶好の機会と捉え、2007年9月、「国際保健の課題と日本の貢献」研究・対話プロジェクトを開始し、武見敬三、元厚生労働副大臣を主査に、政府関係者、援助実施機関、学者、NGO等多様なセクターの代表から構成される研究会を組織した。   同研究会は、5月末までに計5回の会合を持ち、政府の国際保健に関する政策案に対して助言を行う他、国際機関、国際NGO、研究者との一連の対話を国内外で行い、G8サミットに向けた政策提言をとりまとめた。   2007年末から翌2月初めにかけては、ハーバード大学公衆衛生大学院の研究者と議論を重ねて成果論文 PDF[108KB]を執筆、医学雑誌『ランセット』に掲載された。1月には、武見主査がタイを訪問し、マヒドン大学の協力を得て現地視察を行ったほか、プライマリー・ヘルスケアをテーマとするプリンス・マヒドン賞会議にて国際保健専門家と議論を交わした。3月には、世界基金と世界保健機関(WHO)の協力を得て、ジュネーブを始めとする欧州に拠点を持つ国際保健専門家とのワークショップをジュネーブで開催し、いかにして疾病別支援を保健システム全体の強化に繋げうるか議論を交わした。   本ワークショップには、ワーキング・グループからは武見主査に加えて、石井澄江ジョイセフ常任理事・事務局長、山本正当センター理事長、勝又英子常務理事・事務局長、そして外部専門家として國井修ユニセフ・ミャンマー保健栄養部長が参加した。その後、世界基金と日本政府の協力を得て、ザンビアでの現地視察および実務家との対話の機会を持った。現地視察では、ルサカ近郊、西部州の世界基金プロジェクトおよび国際協力機構(JICA)プロジェクトの現場を訪問した。4月には第39回三極委員会ワシントン総会において、武見主査が研究会の中間報告を行い、さらにその後、ワシントンではブルッキングス研究所、ニューヨークでは外交問題評議会の協力を得てワークショップを開催し、米国を拠点とする国際機関および研究機関、NGOの国際保健専門家や保健問題に関心を持つ企業関係者と議論を深めた。ワーキング・グループからは武見主査、勝間靖 早稲田大学教授、神馬征峰 東京大学教授、中村安秀 大阪大学教授、山本正、そして外部専門家として稲場雅紀アフリカ日本協議会国際保健分野プログラム・ディレクターが参加した。   最終報告書「国際保健、人間の安全保障、そして日本の貢献」 PDF[424KB]    は、2008年5月に開催された世界基金支援日本委員会、世界エイズ・結核・マラリア対策基金、外務省主催国際シンポジウム「沖縄から洞爺湖へ―『人間の安全保障』から見た三大感染症への新たなビジョン」において発表された。

2009.09.01

「国際保健の課題と日本の貢献」研究・対話プロジェクト

概要 2000年の九州・沖縄G8サミットでは、開発途上国の保健問題が主要議題の一つとして取り上げられ、なかでも感染症への対応が急務であることがG8首脳の間で確認された。このことが、世界エイズ・結核・マラリア対策基金設立の端緒を開いたことは、国際的にもよく知られ高い評価を受けている。8年ぶりに日本でG8サミットが開かれ、また第4回アフリカ開発会議(TICAD Ⅳ)が開催される2008年は、再び保健を政策課題にすえる絶好の機会であることから、当センターでは前年の2007年9月、「人間の安全保障」に根ざした国際保健分野における日本の貢献のあり方を検討することを目的として「国際保健の課題と日本の貢献」研究・対話プロジェクトを開始した。   本プロジェクトでは、その実施主体として、武見敬三元厚生労働副大臣を主査に、政府関係者、援助実施機関、学者、NGO等多様なセクターの代表で構成される研究会(通称:武見研究会)を組織し、第1フェーズでは、TICAD ⅣおよびG8北海道洞爺湖サミットに向けて、国内外の専門家・実務者との政策対話および研究活動を行い、政策提言を行った。その成果もあり、7月に開催されたG8サミットでは、国際保健が主要議題の一つとして取り上げられ、G8保健専門家による提言書「国際保健に関する洞爺湖行動指針」(洞爺湖指針)が取りまとめられた。サミット終了後の8月より開始した第2フェーズでは、洞爺湖行動指針で強調された保健システム強化をテーマに、より具体的なグローバル・アクションの提言を目指し、国際タスクフォースおよび国際諮問委員会を発足させ、研究・対話活動を実施し、2009年1月16日に最終提言書が日本政府に提出された。本提言書は、日本政府からイタリア政府に手渡され、さらに国際的な議論を喚起するため、アジア、アフリカ、欧州、米国などでセミナーシリーズを開催した。   最終提言書およびプレス・リリース 和文 英文 伊文総論 仏文 プレス・リリース   なお、本提言書は国際的な医学雑誌『ランセット』にも掲載された。掲載された論文    同プロジェクトは、2009年8月、「グローバル・ヘルスと人間の安全保障」プログラムとして再編・強化された。   第1フェーズ(2007年9月~2008年7月) 第2フェーズ(2008年8月~2009年6月) グローバル・ヘルスと人間の安全保障プログラム(2009年8月~)   研究会メンバー 2009年7月現在 主 査: 武見 敬三   (五十音順) 石井 澄江 (財)ジョイセフ常任理事・事務局長 石井 正三 日本医師会常任理事 磯田文雄 文部科学省研究振興局長 上田 善久 (独)国際協力機構理事 尾身  茂 自治医科大学地域医療センター教授、名誉世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局長 勝間  靖 早稲田大学国際学術院学術院長補佐・教授、グローバル・ヘルス研究所 所長 木寺 昌人 外務省国際協力局長 黒川  清 政策研究大学院大学教授、日本医療政策機構代表理事 笹川 陽平 日本財団会長 笹月 健彦 国立国際医療センター名誉総長 渋谷 健司 東京大学大学院国際保健計画学教授 神馬 征峰 東京大学大学院国際地域保健学教授 谷口  隆 厚生労働省技術総括審議官 中村 安秀 大阪大学大学院人間科学研究科教授 林  信光 財務省大臣官房審議官(国際局担当) 村木 太郎 厚生労働省大臣官房総括審議官(国際担当) 山本  正 (財)日本国際交流センター理事長     関連資料および動き G8ラクイラ・サミット成果文書(2009年7月10日)     首脳宣言 開発・アフリカ    仮訳 : P. 29-31 英文: P. 33-35 国際保健機関(WHO)第62回世界保健会議(2009年5月25日)において採択された「保健システム強化を含むプライマリ・ヘルス・ケア」に関する決議案  会見レポート:神馬征峰・東京大学大学院国際地域保健学教授、渋谷健司・東京大学大学院国際保健計画学教授「国家戦略としてのグローバルヘルス」(2009年4月7日、於:日本記者クラブ) 黒川清、坂野嘉郎 原聖吾、近藤正晃ジェームス「イタリアG8サミット:グローバルヘルスの行方を左右する分岐点」(”Italian G8 Summit: a critical juncture for global health”) The Lancet, Vol. …

2009.02.01

G8に対する提言書『保健システム強化に向けたグローバル・アクション』日本政府に提出

武見敬三・前参議院議員を主査とする「国際保健の課題と日本の貢献」研究会(通称:武見研究会)は、2009年1月16日、「保健システム強化に向けたグローバル・アクション:G8への提言」(和文  | 英文   | 伊文総論  | 仏文 )を日本政府に提出した。本提言書は、日本政府から、今年のG8議長国であるイタリア政府へと手渡される予定である。武見研究会では、昨年開催されたG8北海道洞爺湖サミットの首脳宣言ならびに「国際保健における洞爺湖行動指針」   をフォローアップするために、2008年9月に国際的なタスクフォースを組織した。本提言書は、同タスクフォースが、グローバル・ヘルス分野で国際的に指導的立場にいる多くの関係者の協力を得て研究、対話を行い、取りまとめたものである。   背景 2000年の九州・沖縄サミット以後、感染症対策が国際的な課題として注目されるようになり、この感染症対策の強化をきっかけに、2000年に60億ドルだった保健分野への開発援助総額が、2005年には140億ドルへと急増した。さらに、九州・沖縄サミットの合意を受けて2002年に創設された世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)の拠出した支援は、2008年10月までに総額約115億ドルにおよび、また、同じ時期にビル&メリンダ・ゲイツ財団が国際保健分野に投じた助成額も約99億ドルを超えるなど、この分野における資金的な協力が国際的に強化されるようになった。   感染症の地球規模の脅威に対応するためには、さらに資金を拡大する必要があるとの認識が強まる一方で、近年、保健に関わる国連ミレニアム開発目標(MDGs)の乳幼児死亡率の削減(MDG 4)と妊産婦の健康改善(MDG 5)の遅れについての懸念が特に増大してきており、既存の資金が、疾病対策以外の保健分野にも広く効果を及ぼすよう、保健システム全体を強化する必要性が広く認識されるようになってきた。   グローバル・ヘルスに対する国際的な関心の高まりに伴い、これに対応しようとする組織や専門家の数が増え、多くの政策構想、戦略が打ち出されるに至り、この分野のガバナンスに混乱が見られるようになり、ドナー間の一層の協調、新たな政策形成のあり方が求められている。H8と呼ばれる、国際保健機関(WHO)、世界銀行、国連児童基金(UNICEF)、国連人道基金(UNFPA)、国連合同エイズ計画(UNAIDS)といった政府を単位とした国際機関に加え、GAVIアライアンス(ワクチン予防接種世界同盟)、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の8つ国際保健関連組織のリーダーによって構成される非公式会合は、グローバル・ヘルスをめぐるガバナンスにおけるパワー・シフトを反映している。   提言 本報告書では、グローバル・ヘルスをめぐる政策形成のあり方について問題を提起すると共に、保健システムを構成する要素の中でも特に重視されている保健人材、保健財政、保健情報に焦点を当てた3本の政策提言論文を収録している。   【触媒としてのG8の役割】 地球規模課題としての保健の問題は、国家を単位とした既存の国際機関の統治能力を超えている。これまで国際保健の規範形成において主導的な役割を果たしてきたWHOの能力を強化すると共に、二国間外交、多国間外交、シビル・ソサエティとのネットワークという3つの外交チャンネルを緊密に連携させる必要がある。その中で、G8は、幅広いアクターの参画を得る触媒の役割を果たすことが可能であり、既存のグローバル・ヘルスの政策形成に柔軟性をもたらすことができると考えられる。また、強い影響力を持つG8がビジョンを提示することで、保健の問題を世界的な優先課題に位置付けることができる。   【革新的な方法の模索】 資金、人材、知識といったグローバル・ヘルスに関わる資源はいまだに不足しており、既存の資源を効率的かつ効果的に活用する重要性も高まっている。特に、世界的な金融危機において、十分な資金を確保することが難しくなる中で、追加資金を確保する努力と同時に、既存の資源を効果的に活用し、世界の人々の健康状態を改善する革新的な方法を検討するべきである。   【人間の安全保障の理念に根ざした保健システムの強化】 保健システム強化の究極的な目標は、人々の健康状態を改善し、社会の一員として生産活動に参加できるよう、全ての人々に保健医療サービスを保障することである。日本が外交方針の柱の一つに掲げてきた「人間の安全保障」という概念は、保健システムを強化する上でも有用なアプローチと言える。人間の安全保障は、危機的かつ広範な脅威からの保護と、困難な状況に対処する能力を育てるエンパワーメント(能力強化)という、2つの戦略を統合することで、個人やコミュニティの福祉を包括的に向上させることを目指す。このアプローチを取ることで、人々の尊厳を尊重した主体的な取り組みを奨励し、保健システム強化に伴う多様な諸問題にも対処しうる。また、人間の安全保障アプローチは、WHOが再活性化を図っている、健康であることを基本的な人権とし、地域住民を主体とした取り組みを通じて、全ての人が健康になることを目指すプライマリ・ヘルス・ケアの理念にも通ずる。   【途上国の自助努力を促すグローバルな学習プロセスの創出】 先進国は、途上国の取るべき施策を指図する傾向がある。多様なドナーから相矛盾する方針が示されることで、現場に混乱が生じ、現地政府、保健医療従事者、NGOなどのアクターの創意による活動が妨げられる。さらに、現地政府は、十分な情報や知識に基づいて保健政策を決定する能力に乏しく、途上国政府自らが保健システムに関わる政策を決定し、管理することは難しい。G8は、自らがサミットで合意したコミットメントを評価するための年次レビューを実施すると共に、国および地方レベルにおいて、各国が保健分野の政策を立案、実行、評価する能力の強化を支援し、自助努力を奨励すべきである。その際、成功事例や標準化した指標によるデータを共有することで、グローバルな学習プロセスを創出することが肝要である。   本報告書は、国際的な医学雑誌『ランセット』でも発表された(Michael R. Reich, Keizo Takemi. “G8 and Strengthening of Health Systems: Follow-Up to the Toyako Summit.” Lancet 2008; published online January 15. DOI:10.1016/S0140-6736(08)61899-1  )。 以上

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