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日本国際交流センターは、グローバルファンド日本委員会の事業の一環として、FGFJ Issue Brief(論点解説)シリーズの刊行を開始した。日本におけるグローバルヘルス政策上の優先課題の視点から、専門家がグローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)による支援の仕組・成果や将来展望を解説し、政策関係者や専門家の間での議論の活性化をはかることを目的とする。本稿はその創刊号である。
2023 年12月に、各国政府と民間の機関で構成されるマルチステークホルダーの協議体 Future of Global Health Initiatives による提言「ルサカ・アジェンダ」が発表された。これは、近年、グローバルヘルス・イニシアティブ(GHIs)と呼ばれるようになったグローバルファンド、Gaviワクチンアライアンス、グローバル・ファイナンシング・ファシリティ(GFF)、Unitaid、CEPI、FINDなどの官民連携基金が、今後どのように連携してユニバーサル・ヘルス・カバレッジとプライマリーヘルスケアを実現していくべきか、改革方針を提言したものである。
本稿では、Future of Global Health Initiativesの二つの作業部会に参加した小松隆一氏(長崎大学客員教授)が、ルサカ・アジェンダ策定に至る背景と提言の意義を解説し、これらの機関の変革への期待をまとめた。また、ルサカアジェンダの動きに呼応し日本が関与・貢献すべき分野として、グローバル・レベルでの解決策の主導、今後の先駆例となる国での二国間援助としての関与、医療関連技術での研究開発の加速化の3点を提起している。
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