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冷戦終結により共産主義は自壊し、勝利した自由と民主主義が世界に拡散していくと信じられていました。ベルリンの壁崩壊から30年余が経った今、世界各地では権威主義的統治手法が拡大し、先進民主国でさえポピュリズムの台頭でぐらつき始めています。今日の世界において、民主主義は顕著に後退していると言っても過言ではありません。こうした問題意識を踏まえ、JCIEは、国際秩序と普遍的価値が現在どのような脅威にさらされているのかを理解し、日本としてどのような政策を展開できるのか検討する政策研究プロジェクト「民主主義の未来 -私たちの役割、日本の役割」を2018年に開始しました。本プロジェクトは、高須幸雄国際連合事務総長特別代表を主査に、研究者を中心にアドバイザリーボードを組織し、政策に携わる政治家、内外のシンクタンク、研究者、次世代リーダーとの意見交換等の以下の活動を実施しています。
自由で開かれた民主主義に基づく社会のあり方を追求し、国際社会と連携していく上で政治が果たす役割は大きいです。国会議員の間にこの課題に関する理解を深め、米国、アジア、欧州諸国の議会関係者との意見交換・交流を通じて、諸外国において民主化支援、あるいは民主主義の普遍的価値の維持のためにいかなる努力が払われているかを共有しています。
法の支配に基づく自由で開かれた国際社会を目指し、国際会議やフォーラムを通じて各国の市民社会リーダーと対話を重ねています。米国、アジア、欧州などの代表者が集まり、民主主義の普遍的価値を維持するための取り組みや課題について意見交換を行います。これにより、グローバルな視点から共通の課題を認識し、連携を強化することを目指しています。
アジア太平洋地域の若手民主主義支持者が日本に集まり、国際フォーラムやワークショップを通じて、日本の若者と共通課題を通じたディスカッションを行い、普遍的な価値観と地域の民主主義発展を推進する方途を探ります。多様な価値観を尊重し、民主主義の未来を築くリーダーシップとネットワークを構築します。
「民主主義の未来プロジェクト」では、2023年に「普遍的価値のためのインド太平洋プラットフォーム(Indo-Pacific Platform for Universal Values)」を創設しました。このプラットフォームは、相手国からの要請に基づく日本の政府支援が届きにくいインド太平洋地域の市民社会組織および独立メディアへの支援を促進するためのイニシアチブです。今後、この地域の市民社会およびメディアを支援する新たな資金メカニズムとなることを目指し、G7や政治リーダー、政府関係者への働きかけを通じて機運を醸成し、日本の具体的役割を強化していきます。
世界と日本の民主主義とその発展に関する調査・研究・情報発信を行っています。最新のデータや分析を通じて、民主主義の現状と課題を明らかにし、研究基礎資料や政策提言を行うほか、ウェブサイトを通じた情報発信にも取り組んでいます。
(1)議会関係者交流
(2) Diet Roundtable
第2回「インド太平洋地域の普遍的価値の擁護 -広島サミット後の日本の役割」(2023年7月)
第3回「日本におけるLGBT権利と平等の推進に向けた政策課題」(2023年11月)
第4回「ミルクティー同盟日本関係者との対話:民主主義支援・人権擁護と日本の役割」(2024年4月)
第2回パネル討論「統治機構」
第1回パネル討論「日本の民主主義の現状」
主査 |
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高須 幸雄 | 国際連合事務総長特別代表(人間の安全保障担当) | |
共同研究幹事 | ||
市原 麻衣子 | 一橋大学 法学研究科 教授 | |
佐橋 亮 | 東京大学東洋文化研究所准教授 | |
メンバー | ||
志賀 裕朗 | 横浜国立大学大学院国際社会科学研究院 教授 | |
庄司 香 | 学習院大学政治学科 教授 | |
竹中 冶堅 | 政策研究大学院大学教授 | |
彦谷 貴子 | 学習院大学国際センター教授 | |
矢吹 公敏 | 矢吹法律事務所弁護士 | |
主催 | ||
狩野 功 | 公益財団法人 日本国際交流センター (JCIE) 理事長 | |
勝又 英子 | JCIEコー・ファウンダー&フェロー | |
田井中 亮 | JCIEプログラム・オフィサー、アドミニストラティブ・オフィサー | |
近藤 慈子 | JCIEプログラム・オフィサー | |
加藤 和世 | 米国法人日本国際交流センター(JCIE/USA)エグゼクティブ・ディレクター | |
スティーブン・マキュー | JCIE/USA プログラム・オフィサー |
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