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2025年5月、日本の国会において、自由・人権・法の支配・民主主義といった普遍的価値の共有をインド太平洋地域で推進することを目的とした「インド太平洋における普遍的価値の共有を推進する超党派議員連盟(以下、普遍的価値議連)」が設立されました。(設立総会の報告はこちら)同議連は、権威主義の国際的な拡大に対し、地域内の民主主義的な連携を強化するための対話や連携を促進する場として期待されています。
その活動の一環として、2025年7月23日、来日中のアジア・リベラル民主評議会(Council of Asian Liberals and Democrats: CALD)一行との意見交換会が開催されました。当日は、マルディ・センCALD議長(カンボジア上院議員)をはじめとするCALD代表団と、中谷元衆議院議員、桜井周衆議院議員を含む普遍的価値議連の11名の国会議員(代理出席含む)によって、約1時間半にわたる活発な意見交換が行われました。JCIE「民主主義の未来」プロジェクトのメンバーも協力団体として陪席しました。
対話では、インド太平洋地域全体において、市民的自由の制限が広がりつつある現状が指摘され、ウクライナ情勢等の影響によりEU諸国の支援も後退の傾向を加速させていた中で、今年に入り米国の支援も急激な凍結や縮小となっている危機的な状況を踏まえ、以下の点が共有されました。
1.自由や人権、法の支配、民主主義などの価値観は、欧米的なものとして捉えられがちだが、アジアにおいても共通に重視される価値として、地域の文脈に即した再定義の重要性が提起されました。
2.アジアでも共通に重視される自由や人権、法の支配、民主主義などの価値観は、当然のものとして静的に保持されるべきものではなく、実態に即するよう常に見直し育まれ、対話を通じて社会に根づかせていく必要があるとの認識が共有されました。そして、この普遍的価値議連のような場が対話創出の機会を生み出してゆくことへの期待感が共有されました。
3.以上の観点から、日本において超党派で本議連が設立された意義の大きさが改めて確認され、アジア地域との連携強化における起点としての期待が寄せられました。
当プロジェクトでは、インド太平洋地域で民主主義、人権、法の支配などの擁護に取り組む政治リーダー、市民活動家、研究者、メディアのような多様なアクターと、普遍的価値議連のような日本の国会議員各位との対話の場を設けることに努めてまいります。
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