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2024年12月17日、日本国際交流センター(JCIE)民主主義の未来プロジェクトは、ブライアン・ジョゼフ全米民主主義基金副理事長を迎え、「日米新政権とインド太平洋地域における民主的レジリエンスを強化するための方途」をテーマに超党派議員懇談会を開催しました。当日は8名の超党派国会議員が出席し、民主主義と民主的レジリエンスの後退や日本の役割、インド太平洋地域における民主的支援のあり方について活発な意見交換を行いました。
意見交換では、主に以下の点について認識が共有されました。
民主主義の後退と権威主義の拡大への懸念
米次期政権の外交政策における民主主義支援の位置づけが不透明になる中、インド太平洋地域を含む国際社会で権威主義体制が拡大し、日本の安全保障と国益の基盤である民主的でルールに基づく国際秩序や普遍的価値が脅かされている。
日本の民主的支援の困難さ
内政不干渉の原則を尊重しながら、日本が民主的価値観を推進することは地政学的・経済的な観点からも容易ではない。一方で、法の支配が損なわれた国家では、市民の権利や安全が深刻に脅かされている。
日本への高まる期待とリーダーシップの必要性
権威主義的政権下で民主的価値観を擁護するために、日本がより主体的なリーダーシップを発揮することへの期待が高まっている。特に、インド太平洋地域の市民社会からは、具体的な支援の実施が求められている。
多国間連携と外交政策の整合性
民主的価値観の推進には、日米間の協力だけでなく、多国間の枠組みや国連改革の視点も不可欠である。同時に、日本の外交戦略と整合性を持たせ、内政不干渉の原則を逸脱しない形での実施が求められる。
議会間ネットワークの強化と役割分担
民主主義の擁護と民主的レジリエンス支援の実効性を高めるためには、国会、政府、民間が連携し、議員間のみならず議会間のネットワークを強化することが重要 である。信頼醸成を図りながら、情報共有を通じて具体的な政策につなげる必要がある。
JCIEの民主主義の未来プロジェクトは、本会合での議論を踏まえ今後、議員間のネットワーク強化や、民主主義の支援と擁護の具体的な政策提言に向けた対話を推進していきます。
冷戦終結により共産主義は自壊し、勝利した自由と民主主義が世界に拡散していくと信じられていました。ベルリンの壁崩壊から30年が経った今、世界各地では権威主義的統治手法が拡大し、先進民主国でさえポピュリズムの台頭でぐらつき始めています。今日の世界において、民主主義は顕著に後退していると言っても過言ではありません。
こうした問題意識を踏まえ、JCIEは、国際秩序と普遍的価値が現在どのような脅威にさらされているのかを理解し、日本としてどのような政策を展開できるのか検討する研究プロジェクト「民主主義の未来 -私たちの役割、日本の役割」を2018年に開始しました。
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