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日本国際交流センター(JCIE)では、青少年自立援助センター(YSC)と協力して、2025年度より「外国ルーツ支援における地域的・分野的ひろがり応援事業」(以下、ひろがり応援事業)を実施しています。
2025年10月30日~31日の2日間にわたって、今年夏の公募に基づき本事業に採択された8団体(以下、支援対象団体)の関係者が一堂に会する対面研修を東京で開催しました。今回の対面研修は、地域で外国ルーツ支援に取り組む団体が活動基盤を強化するために、組織運営と社会的インパクト評価の基本を学ぶことを目的として実施しました。また、本事業に参画した北海道、静岡、兵庫、徳島、高知、山口、沖縄で活動する皆さん同士のつながり作りだけでなく、外国ルーツ住民が多い東京での様子から学びが得られ、ネットワークが広がるよう、フィールドワークを実施しました。

ひろがり応援事業に採択された支援対象団体は、設立間もない団体から第二創業期を迎える団体、既存の事業の拡充・転換を検討をする団体など活動フェーズも組織規模も大きく異なります。
その採択された全団体が参加し、変化する地域情勢と外国ルーツ住民増加による支援ニーズの多様化、複雑化に対する支援体制の現状などを踏まえ、自団体を客観的に把握し、外国ルーツ住民とともに暮らす地域作りに向けて組織・事業の役割や方向性を改めて考えます。
アイスブレイクを通じて緊張がほぐれ、それぞれの団体・個人の様子が見えてきたところで、NPO/NGOの組織基盤強化を支援するOffice Musubime代表の河合将生氏より、活動を支えるための組織の基盤強化についてのワークを交えた研修が行われました。
各団体には事前課題として組織診断を実施いただきました。その結果から組織基盤強化のポイントを理解し、今自分たちの団体がどのステージにいるのか、どうなりたいのか、課題の深堀りをどう行うのかなどを、様々な角度、方法を活用して真の課題を発見し、その改善に取り組むことを考える時間となりました。「今自分の団体がどういう段階にあるのかがよくわかった」、「今まで整理する機会がなかったので良かった」、「いろんな人の意見を取り入れようと思った」、など、新たな気付きや学びがありました。
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2日目の研修は、NPO事業評価コーディネーター友の会代表の松村幸裕子氏より社会的インパクト評価について学びました。学校のテストから資格試験、様々な認証制度、事業評価、組織評価など身近にある評価について、チームワークを交えながら、どんな目的で、どんな基準で、誰にとっての「よい」状態を目指して評価をするのかを考えました。「組織を発展・強化するために目的をもって評価をすることの必要性を学んだ」、「評価基準を関係者と作っていくことの大切さがわかった」、「内部評価を対外的な評価につなげるにはどうすればよいのかを知りたいと思った」、「事業設計とロジックモデルについて検討したい」など、支援対象団体にとって評価の概念を理解し、次のステップを考える機会になりました。

対面研修後のフィールドワークでは、「多国籍の街」で知られる新大久保でハラルフード店、モスク、ネパールの幼稚園などをめぐった後、認定NPO法人シャプラニールの方に南アジアのバングラデシュ、ネパールでの子ども支援、災害支援から、日本社会と外国ルーツの方々をつなぐ支援へと活動を広げてきたお話を伺いました。その後、大田区蒲田の国際都市おおた協会を訪問し、NPO法人レガートおおたと連携して外国ルーツ住民のニーズや課題に寄り添う支援・サービスの提供に取り組む地域の様子を伺い、意見交換をしました。短時間でも濃密に雰囲気を堪能できた新大久保散策、地域、団体の特性を生かした活動を垣間見ることで、視野が広がり、改めて自団体の強みや地域の特性について考える時間になりました。
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