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日独フォーラム第31回合同会議

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日独フォーラム第31回合同会議が2023年11月16日、17日の2日間にわたり、ベルリンで開催されました。日独フォーラムは1992年の宮沢・コール日独首脳会談により両政府間で設立が合意され、翌年2月に発足した日独間の民間対話フォーラムです。日本国際交流センター(JCIE)は、第1回より事務局を務めています。

コロナ禍以来、5年ぶりにベルリンで開催された今回のフォーラムは、「経済安全保障をともに形成する」をメインテーマとして、日本側の小林栄三座長(伊藤忠商事株式会社名誉理事)とドイツ側のマティアス・ナス座長(ディ・ツァイト紙外信局長)の進行により行われました。

また11月15日夜は、リントナー・ドイツ連邦外務省国務大臣主催のレセプション、16日夜には柳秀直駐ドイツ特命全権大使主催の晩餐会、17日の午前中にはヴォルフガンク・シュミット、ドイツ特別任務担当相兼首相府長官との会談が行われました。それぞれの場で日独関係の重要性が話され、また日独が直面する国内外の課題について意見が交わされました。
プログラム、参加者及び討議要旨は以下のとおりです。

プログラム及び参加者

討議趣旨

第一セッション「日独の政治経済情勢-地球温暖化、移民受け入れ、少子高齢化がもたらす課題、防衛費などの問題に民主主義は如何に対応し得るか」では、日独双方が過去1年間にわたり直面した政治、経済、その他、社会情勢が議論され、変化が報告された。

日本においては、岸田政権の政権運営上の課題と衆議院選挙に向けた動き及び日本が直面する人口問題や財政課題が取り上げられた。一方、ドイツではウクライナ危機に端を発する防衛予算の拡大とそれに伴う政治課題、また100万人に達するウクライナからの避難民への対応の苦慮と極右政党の対応が議論された。両国共にボトムアップによる民主主義の強化、明確で簡潔な政治メッセージの必要性、市民社会や若い世代の活性化が極めて重要だと確認された。また、ドイツは地理的に日本以上に多くの移民問題に直面しているものの、移民の現地社会への同化がレジリエントな社会を構築する重要な役割を担っていることが共有された。

第二セッション「外交政策-ウクライナにおける戦争、新たな東西分裂、グローバルサウス」では、日独の共通した価値観に基づき、世界情勢の変化と危機に対する認識が議論された。さらに日独が協力して世界情勢の変化に向き合う可能性が話し合われた。またロシアのウクライナ侵略をきっかけとする、武力により問題を解決しようとする風潮が世界的に広がりつつあるとする懸念が示され、いかにグローバルサウスに法の支配に基づく国際秩序の重要性の浸透を図るか、その点での日独協力の可能性についても議論が行われた。

日独は多国間の枠組みの下、時代の転換期に適切に対応すべく、G7がリーダーシップを取りながら、ODAの重要性の認識を広め、国連安全保障理事会の改革を進めていくにあたり、更なる協力を行っていくべきとの議論がなされた。新冷戦時代における防衛のあり方や中国への経済依存度を低減する等、日独はお互いの戦略を調整すべきとの議論がなされた。

第三セッション「経済安全保障に向けた日独の戦略―日独政府間協議の結果を踏まえた具体的な二国間協力に向けて」では、世界の平和が脅かされ、地政学的な緊張が高まる世界情勢のなかで、権威主義的な国の脅威から自国の脆弱性や潜在的なリスクを軽減するために、日独政府はどのような対応を行うべきか、さらに個々の企業は経済安全保障をどのようにとらえ、行動をすべきかの議論が行われた。

経済安全保障は安全保障の一部であり、外交、科学技術、知的資源などの分野で日独の協力が必要であることが確認された。日独がサプライチェーンの多様化を通じたリスク回避を継続的に強化することが提案された。このテーマに関して、10年以上前に中国との貿易摩擦を経験済みである日本の政府、企業から、ドイツ側は学ぶ点が多いことを強調され、日独はお互いの経験やベストプラクティスの共有などを通じた相互学習の必要性があるとの提案がなされた。

日独フォーラムの終了直後に今回、初めて行われた公開パネルディスカッションは第三セッションと同じ「経済安全保障をともに形成する」をテーマとして実施された。経済安全保障の観点から見た両国の政策及び企業の行動がパネリストによって議論され、日独の現政策の違いとともに、共通の課題の認識も深まり、日独共同による経済安全保障の取り組みの可能性について活発な議論が展開された。

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photo ©️ jdzb
photo ©️ grandvisions (5枚目、6枚目の2枚)

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