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2026年3月12日から15日にかけて、山梨県富士吉田市にて「日英21世紀委員会第42回合同会議」を開催しました。今回の会議では、以下のテーマについて、計6つのセッションで討議が行われました。
●政治経済の環境変化(成長と財政規律の在り方等)
●米中ロ大国間主義の跋扈(ばっこ)と日英の役割
●その他4項目における日英協力
宇宙・サイバー等外交安全保障の新たな戦略領域
先端科学技術・教育・科学研究(AI、量子コンピューティング等)
国際保健を含む地球規模課題
外交安全保障における多国間枠組み強化
会議に先立ち、東京では、ジュリア・ロングボトム駐日英国大使による昼食会、佐藤啓内閣官房副長官への表敬訪問※、および茂木敏充外務大臣主催レセプション(堀井巌外務副大臣代理対応)が行われました。(※外務省ウェブサイトへのリンクです)
2026年6月10日、日本側座長を務める木原誠二衆議院議員より佐藤啓内閣官房副長官に対し、第42回合同会議の議長総括「提言」を手交しました。
議長総括「提言」、詳細プログラム及び参加者は以下のとおりです。
セッション1:政治経済の環境変化(成長と財政規律の在り方等)
第2次トランプ政権の政策を含む海外動向が日本経済に与える影響として、円安や債券市場の不安定化が指摘された。英国においても、EU離脱やパンデミック後の影響により、経済成長の鈍化や政治的分断といった課題が見られている。こうした状況を踏まえ、日英両国の戦略的投資分野や産業政策の重なりを活かした協力の可能性が示されるとともに、「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」などを通じた新たな市場創出の機会が強調された。あわせて、生活の質の向上や将来の社会像について考える重要性も共有された。
セッション2:米中ロ大国間主義の跋扈(ばっこ)と日英の役割
米国の国家戦略や米中ロによる武力・威圧の拡大が戦後秩序に与える影響を背景に、日英両国の役割が協議された。こうした動向により地政学的不透明性が一層高まる中、ミニラテラルや地域枠組みを含め、価値観を共有する国々との連携の重要性が指摘された。また、「広島アコード」の着実な実行の必要性も確認された。
さらに、市民の理解を高めることや、急速な国際環境の変化が将来世代に与える影響を踏まえた政治リーダーの役割についても議論された。
セッション3:宇宙・サイバー等外交安全保障の新たな戦略領域における日英協力
宇宙分野では、軍事目的だけでなく、微小重力や自然な真空といった環境が、金属や医薬品、半導体の製造に活用できる可能性が示された。打ち上げ能力の強化、宇宙ごみ(デブリ)の除去、国際的なルールづくりなど、日英が協力できる分野について整理された。
サイバー分野では、「サイバーセキュリティ戦略」を中心に、状況の把握と対応力の向上に向けた官民連携の重要性が改めて確認された。あわせて、データ規制への懸念や、海底ケーブルの保護、重要データの保護強化の必要性も指摘された。
セッション4:先端科学技術・教育・科学研究(AI、量子コンピューティング等)における両国の連携
量子技術やAIなどの分野では、両国の強みを組み合わせることで、人材育成や能力強化を進めていく重要性が強調された。日本のQ-STARの取組も紹介され、量子分野における具体的な連携の可能性が示された。また、研究者交流や産業界の連携の必要性が共有されるとともに、倫理的・社会的な課題への対応についても議論された。
セッション5:国際保健を含む地球規模課題における日英協力
パンデミック以降、国際協力の重要性が高まる一方で、各国が二国間で対応する動きも増えていることが指摘された。その結果、既存の国際機関を通じた協力が難しくなっている側面がある。こうした中で、日英両国は、状況に応じて柔軟に協力を進めていく必要がある。また、高齢化や慢性疾患、新たな感染症、医療人材不足といった共通課題に対し、医療・ライフサイエンス分野の発展を通じて解決を図り、それが経済成長の機会にもなり得るとされている。
セッション6:外交安全保障における多国間枠組み強化に向けた(シーレーン維持やCPTPPを通じた)日英協力
シーレーン(海上交通路)の安全保障をめぐり、日本は輸出入の多くを海運に依存していることからリスクの影響を受けやすい一方、英国もホルムズ海峡などの重要な海上ルートの不安定化や海底ケーブルへの攻撃などの影響を受けていることが指摘された。国際的な枠組みだけでは対応が難しくなっており、日英両国は地域的・機動的な協力の重要性が増しているとされている。また、中国やロシアをめぐる地政学的緊張を背景に、防衛や経済安全保障の分野での連携強化の必要性が共有された。今後は、政府間に加え、産業分野も含めた幅広い協力を通じて、より強靱な体制の構築が期待されている。
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日英21世紀委員会について
1984年に中曽根康弘首相とマーガレット・サッチャー首相との間で合意され、翌85年に正式に設置された民間レベルの政策対話フォーラムです。年1回の合同会議において両国委員が議論し日英関係のあり方についての提言をまとめ、それぞれの首相に報告しています。(外務省委託事業)
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