活動報告
日本国際交流センター(JCIE)では、これからの外国人の受入れの基盤となる在留外国人基本法をテーマとして公開シンポジウム「外国人受入れ新時代―在留外国人等基本法に向けて」を2024年1月25日に衆議院第一議員会館大会議室で開催しました。
本シンポジウムはJCIEが2018 年に中長期の視点から外国人の受け入れを検討するために設置した「外国人材の受入れに関する円卓会議」(以下、円卓会議)により2024年1月にまとめられた提言「在留外国人基本法の要綱案」に基づき実施したものです。
本シンポジウムでは、第一部として小泉龍司法務大臣の政府代表挨拶、國松孝次、未来を創る財団会長による「人口減少時代と外国人受入れ」をテーマとする講演がおこなれました。
小泉大臣はあいさつの中で日本にイノベーションをもたらす上で多様性が重要であり、その意味でも外国人材の受け入れが極めて重要であることを強調されました。続く國松会長は、人口減少が続く地域において外国人の受け入れは極めて重要であり、外国人の受け入れを地域活性化の柱として考える必要があり、そのためにも外国人の受け入れに関する基本方針として在留外国人基本法の重要性を述べられました。
続いて円卓会議事務局長であるJCIE毛受敏浩執行理事は円卓会議でまとめた「新在留外国人等基本法」の要綱案について説明し、日本が選ばれる国であるためにも早期に在留外国人等基本法の制定が必要であり、そのための国民的な議論が必要と主張しました。
第二部では2つのパネルディスカッションが行われました。パネルディスカッション1は「外国人受入れのための基盤構築」をテーマに宍戸健一、JICA理事長特別補佐がモデレーターとなり5名のパネリストによる議論が行われました。各パネリストはそれぞれの立場から見た在留外国人の現状と課題を述べ、その問題の解決のためにも政府として基本方針となるべき在留外国人等基本法が必要であると述べました。このパネルディスカッションでは主として、外国人の就労、教育上の課題に加え、日本人の外国人に対する意識の問題が議論されました。
続くパネルディスカッション2「在留外国人基本法の実現に向けて」では、モデレーターとして竹田忠、政策分析ネットワーク上席フェローの司会により与野党の政治家を含む5名のパネリストによる議論が進められました。冒頭では今国会に提出予定の技能実習制度の改革法案をめぐる課題、また各党内での外国人受入れに関する方向性などについて意見交換が行われました。その後、円卓会議の新在留外国人等基本法の要綱案をめぐりそこで提示された課題が取り上げられ、さらに外国人受入れについての政府、日本社会の対応のあり方など幅広い議論が行われました。
開催概要
日 時:2024 年 1 月 25 日(木) 14時~17時
方 法:会場参加およびZoomウェビナーによるオンライン配信
場 所:衆議院第一議員会館大会議室
プログラム:こちらよりご確認頂けます。
動画
資料
基調講演
- 「外国人材の受入れと地方の活性化」(國松孝次 未来を創る財団会長、元警察庁長官)
円卓会議「新在留外国人等基本法の要綱案」提言案の骨子説明
- 「新在留外国人等基本法の要綱案」(毛受敏浩 (公財)日本国際交流センター執行理事)
パネルディスカッション1「外国人受入れのための基盤構築」
- 「在日ブラジル人1世(日系人)の立場から問題提起」(アンジェロ・イシ 武蔵大学教授)
- 「外国人材が活躍できる環境整備-セブン‐イレブンの取組」(安井誠 一般社団法人セブングローバルリンケージ専務理事)
パネルディスカッション2「在留外国人基本法の実現に向けて」
- 「在留外国人基本法の実現に向けて」(鈴木江理子 国士舘大学教授、移民政策学会会長)