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日本国際交流センター(JCIE)と三重県国際交流財団、NPO法人愛伝舎、多文化共生を考える議員の会の共催によるシンポジウム「外国人との共生を考える三重の協働円卓会議」が、2024年1月31日(水)に、三重県鈴鹿市の鈴鹿市ふれあいセンターで開催されました。
本事業はJCIEがトヨタ財団の助成を受けて実施している共生の未来・全国連携事業の一環として実施されたもので、2023年12月の富山県でのシンポジウムに続くものです。本シンポジウムでは、地域ぐるみで外国人の受け入れを考える必要性についての認識をもとに、今まで結びつきが弱かった企業や地元議員らが積極的に参加しました。
冒頭、主催者を代表して金子聡 三重県国際交流財団理事長のあいさつの後、一見勝之 三重県知事(ビデオ出演)、福永和伸 三重県教育委員会教育長、その他経済界の代表の来賓あいさつが続きました。そこでは人口減少が深刻化する中で、外国人の役割が極めて重要になるとの話が共通して提示されました。
第1部では、JCIE執行理事 毛受敏浩が将来にわたる人口減少の傾向とともに在留外国人が増加している背景、また政府としての取り組みの必要性を述べた後、地域としての受け入れのあり方の現状と課題について問題提起を行いました。続く三重県選出の中川正春 衆議院議員(ビデオ参加)は在留外国人における日本語教育の重要性を強調するとともに、人口減少の中で日本として移民政策を真剣に考えるべきと主張しました。末松則子 鈴鹿市長は日系ブラジル人が多かった鈴鹿市において近年、多国籍化が進んでいる状況と鈴鹿市としての外国人支援体制の現状について話しました。
第2部では地域活動報告として、外国人を積極的に雇用する企業、地元企業で働く外国ルーツ青年、また外国ルーツで起業に成功した企業家、外国人支援を長年行ってきたNPOの代表、さらに共催団体である三重県国際交流財団代表によりその活動が紹介されました。
第3部のパネルディスカッションでは、「協働による外国人との共生社会づくり」をテーマに、JCIE 毛受の司会のもと、末松市長ら6名のパネリストにより議論が行われました。ここでは最初に宍戸健一 JICA理事長特別補佐が、外国人労働者の人権上の課題について触れるとともに、東南アジア各国を訪問した経験から日本が選ばれにくくなりつつある状況を説明しました。続く4名のパネリストは、地域での在留外国人の支援の実情、また支援を受けて企業で活躍する外国ルーツ青年の経験等を話し、それを受けて末松市長が、さらに積極的に多文化共生を進めていきたいと熱意を込めて主張しました。また政府による外国人受入れのための法律制定の必要を訴えました。
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