ページを探す
日本国際交流センター(JCIE)は、2023年2月22日、公開シンポジウム「外国にルーツを持つ青少年の自立を支える社会の実現に向けて」(全2回)の第1回を開催しました。当日は、登壇者は会場、視聴者はオンラインでの参加となるハイブリッド形式で実施しました。
全2回にわたり行われた本公開シンポジウムは、JCIEが2020年度から実施している「外国ルーツ青少年未来創造事業」(以下、SYDRIS)の活動・成果報告の一環として行われたもので、SYDRISの助成対象団体(7事業)の代表者に登壇いただき、外国ルーツ青少年とその家族に対する支援現場から見えてきた課題と成果、また、今後必要な支援の在り方について議論しました。第1回目となる今回は、「外国ルーツ青少年のライフスパンを意識した包括的支援の在り方」をテーマにシンポジウムを実施し、政府、企業、NGO/NPO、メディア、大学・研究機関、一般市民など、延べ約100名の方々に参加いただきました。
第1部の報告においては、JCIEが2022年9月13日から10月30日に実施した日本全国の外国ルーツ中学生・高校生、約320名から得たアンケートから明らかになった彼らの日常、将来への不安・思いについての調査結果が報告されました。そこでは、「在籍している学校種別に悩み・不安の違いがみられる」、「性別による悩みの状況の違いがみられる」、「現在使っているサポートと今後使いたいサポートにはやや異なる傾向がみられる」、「出生地により進学・進路希望に違いが見られる」、「就きたい仕事やそのイメージ、将来についての展望に必ずしも不安を感じていない」、の5つのポイントが示されました。
第2部のパネルディスカッションにおいては、桃山学院教育大学准教授オチャンテ村井ロサメルセデス氏のモデレートのもと、SYDRIS事業の採択団体の中、外国ルーツ青少年の教育とキャリア支援を中心に行う4つの団体の代表に登壇いただき、議論を行いました。はじめに、外国ルーツ青少年の当事者への取材に基づいて作成された動画により、当事者の現状、直面した課題などが示されました。それを受けて、各団体からは「なぜ」事業を立ち上げなければならなかったのかについて報告がなされました。さらに二つ目の論点として、当事者の新たなニーズ、可能性、期待、今後に向けて考えるべきことの問題提起が行われました。そこでは、何が課題として残り、何が新たに見えてきたのか、何をさらにより多くの人に知ってもらい、取り組みを広げるにはどのようなことが必要か、といった点に関して議論が交わされました。
後日公開予定
第1部 報告 「外国ルーツ青少年当事者調査から見える外国ルーツ青少年の今」資料(20分)
第2部 パネルディスカッション「外国ルーツ青少年のライフスパン支える活動、仕組みづくりとは:支援の現場から届ける今とこれから」(90分)
Copyright © Japan Center for International Exchange (JCIE)