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日本国際交流センター(JCIE)は、2024年3月19日(火)に、特定非営利活動法人 中信多文化化共生ネットワーク(CTN)、JICA東京との共催により、共生の未来・長野シンポジウム「しんしゅう多文化共生新時代の構築」を長野県松本市の信毎メディアガーデンで開催しました。
本事業は、トヨタ財団の助成のもと、共生の未来・全国連携事業の一環として、富山県、三重県で行われた一連のシンポジウムの最終回として実施されたものです。人口減少が深刻化する地域において、在留外国人の地域社会での役割とその重要性に焦点を当て、多様な立場の人々と共に、外国人との共生社会実現のあり方を議論をする場として、各地域のNPO、経済団体、JICAなどと共同で実施しました。
シンポジウムの共同主催者である、佐藤友則 CTN代表理事が開会の挨拶を行いました。来賓挨拶として阿部守一 長野県知事が登壇し、「人権を大事に」を軸に、誰もが暮らしやすい地域づくりに向けて、人口減少が加速する一方で増加する在留外国人との向き合い方や多文化共生の取り組み方がますます重要になっていること、その意味で本シンポジウムは時宜を得たものであるとして期待が寄せられました。
冒頭、長野県の多文化共生状況について、春原直美 長野県多文化共生・パスポート室長から日本語教育の担い手の育成や対面・オンラインを活用した日本語学習機会作りなど、地域での日本語教育体制作りと外国人住民のための相談体制の拡充の取り組みが紹介されました。続いて、丸山文 中信多文化共生ネットワーク(CTN)コーディネーターから、公的サービスの一部として行政と協働し実施している相談及び情報発信の取り組みの紹介がありました。また、長野県に留学し、地元で起業したマレーシア出身の林 和財(リム・ファザイ) サン光機代表取締役から、地域を構成する市民として日本語学習を含めた信頼構築の視点、また、小林克規 ㈱AIC代表取締役から、特定技能制度の活用状況から見える受入れ後のフォローアップや人材育成の重要性が提示されました。
次に、全国の状況報告と問題提起として、JCIEの「外国人材の受入れに関する円卓会議」のメンバーである、宍戸健一 JICA理事長特別補佐、安井誠 セブングローバルリンゲージ専務理事、鈴木江理子 国士館大学文学部教授らが登壇し以下の3点を強調しました。
その後、「しんしゅう多文化共生新時代構築にむけたパネル・ディスカッション」として、地元及び東京からの参加者を交えて議論が交わされ、今後、長野県で増加が想定される外国人に対する自治体、住民としての対応のあり方、「外国人vs日本人」という「内と外」のボーダーを打ち破るという視点も含む外国人との共生社会の新たな将来像の必要性が議論されました。
最後に、地元で多文化共生に取り組む井出博文 弁護士から外国人の人権について問題提起とともに長野県議会の多文化共生の基本法制定に向けた動きが紹介されました。シンポジウムの最後をJCIE理事長 狩野功が閉会の挨拶で締めくくりました。
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